友達からのプレッシャー: 自分らしくあり続ける
思春期の子供というのは、目立たないようにしようとしがちですが、自分ではない別人のようにふるまう必要なんてありません。 お子さんが友達からのプレッシャーに押しつぶされることなく、自分らしくいられるよう、サポートしてあげてください。
思春期における友達からのプレッシャー
大人でも、知らない人たちの中に入るときは緊張するものです。 思春期の子供たちにとってはなおのことで、自分の中でバトルが繰り広げられます。 その場に「溶け込みたい」と必死に願いつつも、と同時に自分のスタイルも表現しようとします。
思春期の子を持つ母親ジルはこう言いました。「ドリーの学校では、見た目や服装について友達からプレッシャーをかなり受けているようです 中学生になってからというもの、見た目をとても気にするようになって、『友達と同じような見た目』になろうとしているようでした。」
外見で評価する子どもたち
「実際、 女の子たちが教室に入ると、みんなお互いを観察しあうわけです。」自己肯定感の指導者であるタラ・カズノー博士は言います。 「思春期というのは、友達の性格や身体的特徴などにも敏感になり、自分と友達とを比較して、優劣をつけるようになります。 さらにメディアや雑誌、映画は、この傾向を加速させます。 そして突然、ある特定の外見や性格に憧れるようになるのです」
特に新しい学校生活が始まるときや、新たにクラブ活動に参加したりするときに、こういった「人との比較」が顕著になります。 思春期の子どもたちは、これまでとは違う外見や言葉遣い、行動を試そうとするのかもしれません。
こういった状況においては、集団の中で自分の居場所を見つけようと奮闘するあまり、自分の容姿・外見に対するとらえ方も大きく変わることがあるのです。
友達からのプレッシャーは、自尊心にどのように影響するか
お子さんにとって、自分とはどんな人間で、自分に取って大切なものは何かを探し出すための重要なステップとなるので、しっかりと受け入れてあげてください。 これはすべて、成長の過程なのです。
しかし一方で、お子さんにとって、集団での自分の立ち位置がわかってくることで自尊心が特に揺らぎやすくなる時期でもあります。 お子さんが他の誰かをうらやむこともあれば、逆に友達の誰かにねたまれていると気付くことがあるかもしれません。
お子さんが自信を持てるようにサポートしましょう
このような難しい状況の中で、お子さんが自信を持って自分の道を進み、個性を大切にできるようになるには、親として何ができるでしょうか? ここで紹介しているチェックリストに、そのヒントをまとめました。 周りに溶け込むためだけに自分らしさを失ってはいけないと、お子さんにも理解させることが非常に重要です。
思春期の子どもたちは、周囲に溶け込むことが何よりも大切と思う時期があります。 それは、成長する過程の中で、自分の関心や才能、スタイルが確立してくると、また変わっていきます。 時が経つにつれ、さらに親の支えがあれば、お子さんは自分にとって「良い」友人と、それほど良くない友人とを区別できるようになります。
お子さんが自分は唯一無二の存在であることに気付けるように、そしてより良い友人関係について理解できるように、サポートしてあげてください。そうすることで、お子さんは自分という存在に自信を持ち、周りの人たちの多様性についても受け入れられるようになります。
* プライバシー保護のため、ここで紹介している人物の個人名は、匿名にしています。しかし、掲載している話の内容はすべて真実です。
お子さんがどれほど素晴らしい存在かを伝える
お子さんの個性、特徴を褒めることで、自尊心が高まります。容姿のことではなく、行動やスキル、性格に焦点を当ててください。
お子さんにとって良い友達グループをみつけられるようにする
「いい友達」とはどういう人か、お子さんと話し合ってください。いい友達とは、自分と同じような服を着る人のことですか?それとも、話をしっかり聞いてくれて、人の気持ちを大切にしてくれる人のことでしょうか?お子さんはどんな性格や特性を尊敬したり憧れたりしているのか、お子さん自身が理解できるようにサポートしてあげてください。
お子さんが、友達グループの中でどんな役を担っているのかについて話 し合う
話を聞いてあげる役や、みんなを励ます役、あるいはみんなをまとめる役かもしれません。
友達のグループ内での多様性を大事にする
お子さんやお子さんの友達について、容姿ではなくすばらしい性格や資質に目を向け、褒めましょう。
お手本となる人を見つける
家族、地域社会、またはもっと広い範囲から、素晴らしい長所・資質を持つ人を挙げ、その人物について話してください。 思いやりの心、協調性、困難を乗り越える力、リーダーシップが備わっている、お手本となる人を見つけるのです。 お子さんが大人になったときにこうなっていてほしいと思うような人がよいでしょう。